本
我は、おばさん
私も「おばさん」という単語にネガティブな印象を拭えない。読み進めるうちに、筆者が目指すものとの乖離に気が付いた。私は今後も「おばさん」を肯定的に捉え、この単語を継続して使用する気はさらさらない。もう「中年女性」「ミドル女性」に置き換えてもらって、別の枠としたい。「おばさん」に意味や魔法を持たせたくない。単純にステージが移っただけ。そういうことにしたい。
言葉と歩く日記
大好きな多和田洋子の言葉にまつわるエッセイ、というか日記。複数の言語を操る人の、言葉を発見し考察を重ねていく姿は本当に面白い。ドイツでの暮らしが伺い知れて新鮮だった。
ただ一つ気になったのは、日本の授賞式で一緒になった映画監督のヤン・ヨンヒさんの説明について。「韓国からきて日本映画を撮る」と記述があるが、在日コリアンであり、日本で生まれ、北朝鮮に関するドキュメンタリーを取っている監督なので、諸々の説明が間違っているように思った。
文学は実学である
荒川洋治の文章を読みたいと思いながら月日が経ち、手に取ったのがこの本。難しい文章を書く人なのかと想像していたから、率直な文章に正直驚いた。どれも面白かったけど、茨木のり子の「倚りかからず」の詩は、作者自身には向かわない、と暗に批判していることが印象に残った。私も同じことを思ったから。
非国民な女たち
パーマ、アッパッパ。朝ドラ「カーネーション」を思い出しながら読んだ。
金や物がなくても、生活が戦争に吞み込まれようと、可愛い綺麗な恰好がしたい。その強い意志にすごく納得する。
映画
心のうた
トルコ映画。陽気なロマ作品と思いきや、そんなことはなかった。
「名誉の殺人」によって殺されそうになる女の子。その女の子に恋してしまったロマの男。現世のスクラップにしたい家父長制による男たちの暴力からロマ一家は逃げる。
自由なロマの女たち、優しいロマの男たちは村人たちと対称的。
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その他
日付の感覚なく、怒涛の如く過ぎた7月。いま8月だけど、もう9月の気分。謎。
暑い夏は私の脳みそも溶かす。